全部、知ってたよ ゆめ。 りそう。 それは呪いのように彼を縛る。 夢、理想、その果てに。 彼は自分に呪いをかけた。 その呪いのおかげで、私と彼が出逢えたなんて。 「皮肉だよね」 「いきなり言われても返す言葉が見つからないのだが」 「こういう言葉、一回言ってみたかっただけ」 あからさまな嘘。 「君は変わり者だ」 「………」 ごまかしてみたら、攻撃された。 この人にとったら攻撃なんてものじゃないのだろうけど。 「アーチャーも変なんじゃないの?サーヴァントのくせに紅茶入れたり、ご飯作ったり」 「君ができるのなら、私はそんなことはしないぞ」 「………」 返す言葉もございません。 「いつもすいませんね」 「まぁ私は普通の英霊ではないからな」 知ってる。 「自分で言っちゃうんだ」 「それゆえに私は君に食事を作り、紅茶を入れる。何か不満があるのか、マスター?」 「感謝してます」 だから私は、知らないふりをしてあげる。 2007.4.11