Which is important? 「やってしまった…」 “凛と私、どっちが大切なのよ!” 最低だ。 一番言ってはいけないことを言ったと思う。 きっと高望みしてしまったんだ。 私なんてマスターであるだけでも有り得ない話なのに…。 「はー…」 どうしたものか。 「こんなところにいたのか」 「っ!アーチャー!」 「待て、君はまだ逃げるつもりか?」 ………っ。 「逃げて逃げて逃げて逃げる!」 だって言い訳の言葉すら思い付かないから。 「全く君らしい。が、契約している以上、君がどこに逃げようと私にはわかるのだが」 それが嬉しくて悲しい。 契約の上でしかないのだから。 「とにかく、逃げるのはもうやめてもらおう。君の問いに対する答えはちゃんと用意しているからな」 「………」 心の準備なんて出来てないよ。 「私の目を見て聞いて欲しい」 「…はい」 聞くのが怖い。 「君と凛、マスターとしてはどちらも大切だ。だが…」 魔力の繋がりを感じる。 アーチャーを通して、凛も。 「恋人という意味でのパートナーは君しか有り得まい?」 「なっ…!」 「む?どうした?」 「そっそんな風に言われるなんて予想外っ!」 「そうか、良かったよ」 「何がいいのかわかんないし!ていうか、私だって好きだけど…っ!もー!アーチャーのバカバカバカバカバカッ!」 「好きだと言いつつ、何故君は罵るんだ…」 そ、それは…。 「…愛故に?」 「…そうか。ならばその愛とやらはしっかり受け止めねばならんな」 「え?」 すごいことを言ってしまったのだと、後から気付いた。