貴方は幸せになって下さい。 誰だって、幸せになる権利はある。 英霊になったってそうでしょう。 そのために聖杯を手に入れるのだから。 「アーチャーは、幸せにならなきゃ駄目だよ」 そのはずなのに、この人は。 「幸せか…」 遠い目。 それは拒絶? 「…馬鹿」 「それは心外だな」 「馬鹿っていうのは、自分のことを馬鹿だなんて思ってないよ」 だから私が言ってあげる。 「なるほど」 夢を見るほど願う。 「貴方は幸せになって下さい。」 赤い騎士は、何も言わなかった。