これ以上傍には居られない。 決めていたことだった。 その決意がいつのものか、もう時を数えるのもやめてしまったけれど。 「君を愛したのは、嘘ではないよ」 幸せそうに眠る顔がこんなにも愛おしい。 直に触れていた手が、ゆっくりと透けていく。 君と眠るのはこれで最後にしよう。 「終わりが近づいている」 私の終わりが。 そして…君との終わりが。 「君も“今”しかいないのかもしれないな。しかし…この時も“今”しかないのだよ」 どれほど求めたか知れない。 あれは必ず始末する。 今目を覚ましても、私の姿は見えないだろう。 感触を感じないだろうと思いながらも、別れの口付けをした。