ごめんね。 誰かを助ける。 自分以外を助ける。 大きな背中。 それは、償うものの大きさ故にか。 「ごめんね」 赤い騎士は傷付いた。 自分を守って。 「マスターを守るのがサーヴァントの役目だ。君が気にすることではなかろう」 気にする。 「まあ…君にそんなに気に掛けてもらえるなら、役得というものかもしれんな」 「馬鹿言わないでよ」 怪我には慣れてるんだろうな。 だから、痛いとか言わないんだろうな。 「ごめんね」 痛くない筈はないのだから。 その、心だって。 「短期間で成長するものだな」 「へ?」 「治癒術がずいぶん身についたようだと思ってね」 「いくらでも癒してあげるよ」 そんな傷を負わないでくれるのが一番なんだけど。 「戦えないってもどかしいなあ」 「その方がいい」 「アーチャー?」 「君は、その方がいい」