背伸び



キスをする時。
先生はいつも少しかがんでくれる。

私からするなら。
背伸び…すれば届くかな。



「どうした?」

「えっ、いや…何でも!」

「顔真っ赤にして言うことじゃねぇよなぁ。
 何考えてたんだ、チャンは?」



うう…どうして顔にすぐ出ちゃうんだろう。



「別に大したことじゃないです」

「へぇ?」



ニヤニヤしてる。
こうなったら…。



「お?」



口にはどうしても恥ずかしかったから、頬に。
キスを。
驚いている先生。
攻撃は成功だ。



…」

「な、何ですか?」

「なるほどな。オレ様を誘いたかったわけだ」



ん?



「ちょっ、先生!?どうしてそういう解釈に」

「だから顔を赤らめてたわけだなぁ。そうかそうか」

「そうかそうかじゃないですよ!」



ゆっくりと体が。
ソファに沈んでいった。