例えばこんな昼下がり こんな天気のいい日に政務ですか。 魔王っつっても好き勝手にやってりゃいいもんじゃないのね。 だって魔王よ?魔王。 悪の親玉といえば、ねぇ? せめて日向ぼっこくらいさせてほしい。 うつら…うつら…。 「陛下…」 ゴッ! 「ふぇあっ!?」 何事か!? 凄まじい痛みが額を襲った! 「大丈夫?」 ちょうど入って来たらしいコンラッドが笑いを噛み殺している。 そして事態を把握した。 いっそ笑って。 笑うがいい。 笑え。 「何の用よ」 涙目になりながら睨みつける。 結構痛い。 「癒し手でも呼んで来ましょうか?」 「いらない!」 どっからどう見ても必要ないことは明らかでしょうが! 「で、何の用かしら、コンラッド?」 「あまりにもいいタイミングで忘れてしまったので、ハーブティーでも頼みに行きがてら思い出します」 こ、の………っ! 「どうせなら盛大に笑いなさいよねーっ!」 「陛下にそんな無礼は出来ませんよ」 そう言ってまだクスクス笑う次男坊。 「行くなら早く行って!!」 「ええ、じゃあいってきます」 …おでこにそっと触れてみる。 「あ、良かった、たんこぶになってないや」 静かになった部屋で呟いた。