すとろべりーぱにっく 「…先輩、どうやったらイチゴになれますかね?」 「え」 やだこの子。 まだ進路を考えるには早い…じゃなくて。 「ちょっと、何言ってんの?」 「だからー俺って一体どうすれば…」 やだこの子。 2つしか歳が違わないのに。 「っと!先輩!またあとで!」 「あっ黄瀬!?」 何だったんだろう、今の。 「笠松ーーーっ!!」 「ぅおっ!?なんだよ!」 隣の隣のクラスの笠松のもとへ突撃した。 「アンタ、シバき過ぎたのよ!!そのせいで黄瀬がっ黄瀬がっ!」 「どうしたって?」 「…先輩、どうやったらイチゴになれますかね?って…」 「なに…!?」 「絶対笠松が頭殴り過ぎたせいだよ…」 「………」 否定しないのか。 「いや、俺は殴るよりも蹴る方が多いぞ」 「あっそ」 「先輩こんなとこにいたんスか!」 「俺の教室をこんなとこ呼ばわりとはいい度胸だ、なっ!」 バシィ!といい音が一発。 あーほら、そういうことするから。 「いてっ!」 「なんか用?」 「先輩冷たいっスよ!これ、どうぞ」 「これは…1週間の内ランダムに1日だけ限定5個で販売されるっていう幻のイチゴパン!!!」 いつも誰彼が手に入れた!という噂しか聞いたことがなかったが…。 「まさか手にする日が来るとは…」 「先輩のために買ってきたんスよ!」 「あ、ありがと…」 「先輩がイチゴに目がないって聞いたんで」 「………」 恥ずかしいけど当たっている。 「そんな先輩なら、俺がイチゴになれば先輩は俺を…!」 「「食わねーよ」」 笠松とハモった。 「ちょっ!そんなあ」 黄瀬は若干涙目である。 「おい、もともとコイツはバカだろ」 「だったね、いまさらだった」 「何でそんなに仲がいいんスか2人とも!」 「同学年だからじゃない?」 「…越えられない壁が…!!」 「わっ!ちょっと何!?」 落ち込んだと思ったら、いきなり両手を掴まれた。 「でも!俺は先輩のこと、誰よりも好きっス!!」 「え」 「何こんなとこで告ってんだよ!」 「いてっ!」 「は、離せバカ!」 「先輩までヒドイ!」 「ひどくない!」 びっくりした。 いつもは可愛い後輩のくせに。 びっくりした。