手作りのものと手作りの気持ち 最後にここを結って…。 「よし、完成っ!」 自然と笑顔になってしまう。 「はっ!」 まだこれで終わりじゃない。 自己満足のために作ったんじゃないんだから。 「お疲れ様、ベナウィ」 「ありがとうございます」 ベナウィの部屋を訪ねて、いつもの挨拶をして。 …それから。 「あ、あのね」 「はい?」 「これ…もらってくれる?」 差し出した手のひらには、小さな。 「お守り、ですか」 「うん」 「懐かしいですね」 ベナウィが目を細める。 「懐かしい?」 「母上にもらったことがあります」 「…ベナウィのお母さんって器用だったんだろうねぇ。こんな不恰好でごめんね」 「いいえ、嬉しいですよ」 「そっか…へへ」 いろんな気持ちを込めて、あなたに贈ります。