その時二人で見た景色は 眠れない夜は、夜風に当たる。 悩んだり。 嫌な夢を見たり。 泣きたく、なったり。 「星が綺麗だなぁ」 空にはたくさんの星。 散った命も、それも…同じくらいかな。 「あ、ベナウィ。今お仕事が終わったの?」 「ええ、主上はまだのようですが」 「あー………」 可哀想に、あの人はまだ書類の山に埋もれているのか。 「体を冷やしますよ。また眠れないんですか?」 「…ご名答。よくわかるね」 「何度か会っていれば」 それじゃあ私が待ち伏せでもしているみたいじゃないか。 「星、綺麗だね」 「ええ、見事です」 ふ、と少し笑った気がした。 二人会話もなく。 ただ、空を見上げていた。 切ないくらい綺麗な、満天の星空。