静かに瞼を





「っ!?」



首の衝撃で目が覚めた。



「いったー…」

「大丈夫ですか?もう休んでください」

「やだ。ベナウィはまだ寝ないんでしょ?それなら手伝う」

「それは助かりますが、墨がはみ出さないようにしてくださいね」

「あ………」



大惨事とまではいかないものの、ちょっと、やってしまった。



「善処します…」

「ええ、よろしくお願いします」



とは言ったものの。
眠気は逆らえないもので。



「………」



気を抜こうが抜くまいが、意識を持って行かれる。



、寝てください」

「うん…悔しいけどもう無理みたい」



だけどその前に。
とか普段あり得ないことを考えてしまったのは、きっと眠いせいだ。



「キスしてくれたら寝てあげる」



ぼーっとする頭で呟く。



「…何を言ってるんですか」

「だーから」



あれぇ、これって酔っ払いみたい?



「ね?」

「じゃあ目をつぶってください」



してくれるの?
ちょっと意外かも。

さん、にぃ、いち。



「………」

「すー……」

「…まったく」



気持ちいいなぁ。

一瞬だけ、唇に。

何か、触れたような。