日常生活の結果
部活が終わった黄瀬と合流して近くの公園へ。
時間がない時の定番になっている。
そしてこれまたいつもなベンチへ。
他愛もない話をして、バカっぷりにツッコミを入れたり、いじめてみたりして。
「っちだって、俺に甘えてくれたらいいのに」
「へ?」
「俺がそんなに頼りないスか?年下だから?」
ヘタレだから?ってのも浮かんだけど言わないでおこう。
別に、頼りにしてないわけじゃないんだけどな。
「基本的に人に弱いとこ見せないタイプの人間なので」
「じゃあ俺には見せてよ」
「………」
その表情に、思わず息を飲む。
だから、黄瀬って少し苦手。
確かに恋心はある。
それはどこからだっけと考えれば、第一印象としてはやっぱり顔だったなと思い出して、くだらなさに笑ってしまった。
「笑える程頼りないんスか」
「え?」
やばっ。
拗ねるよりちょっと怒ってる気がする。
「あのね、黄瀬」
「今日はもう帰ろっか」
黄瀬が立ち上がってしまう。
「えっ…」
…甘える、か。
時々ムカつくくらい大きな背中に、そっと手を伸ばしてみる。
触れるまで、あと3センチ?
「っ!」
触れるか触れないかの瞬間に、黄瀬が振り返ってしまった。
恥ずかしさで全身の毛が逆立った気がする。
「なんってタイミングで振り返るんだこのバカーっ!」
「えっ?えっ?あ、ああ、っちなんかイタズラしようとしてたとか!?」
これが日頃の行いってヤツだ…。
「―――っ」
言葉にできない感情にしゃがみこんでしまう。
「っち!?」
バカ。
私、もう十分甘えてる。
だって、照れ隠しに怒ったっていつも黄瀬は許してくれる。
今だって怒ったくせに、大丈夫?なんて心配して。
「帰ろ」
最初のステップは、私から手を差し出すところから。
「…っち!可愛くて帰したくないっス!」
「なっ…!だ、だからアンタは…!」
絶対悪いのは私だけじゃない!