わんわんのニオイ 最近気になることがある。 「ジャンさんてさ、洗ってない犬のニオイがするってホント?」 「どうした、急に?」 「ルキーノもベルナルドもいつもいい匂いだよなあって思って」 「グラッツェ、シニョーラ」 「気になるなら確かめてみたらどうだ?」 「あんまりオススメはしないけどね」 いい香りでないことはわかるけど、犬なら可愛いじゃないですか。 「お疲れちゃん」 「ジャンさんいいところに!」 「ホワ?」 「ジャン、お前ちゃんと風呂に入ってるか?」 「なんだよ、イキナリ」 ああ、ちょっとドキドキしてきた。 「その反応は…。どうやらレディ、準備万端らしいよ」 よぉっし!! 「ジャンさん!」 「ハイ?」 「ジャンさんは犬のニオイがするとか…!」 「あー気になる?」 「私飼ったことないし」 一種のあこがれがあります。 「んじゃ、思う存分堪能して」 「っぷ!?」 抱きしめられるなんて予想が…。 「………」 ああ、ケモノクサイ、っていうのかな、こういうの。 私から望んだわけだけどなんか謝りたくなるゴメンナサイ。 「ジャンさん…放してほしいかも」 「どうだった?」 ニヤニヤしながらルキーノが聞いてくる。 「失礼ながら、お風呂に入った方がいいんじゃないかなあと思いますです」 割とダメージくらいました。 自業自得なんだけども。 「一緒にどお?」 「えええ!?え、遠慮します!!」 「まあそう言わずに、サ」 …ジャンさんのお色気攻撃は、強力です。