Trick or ?



「お菓子をくれなきゃひねりつぶすよ」
「えっ」

お昼ご飯を食べて、鳴らずにいて欲しいチャイムをまったり待つしかない時間。
紫原氏は物騒な言葉を放った。

「あれ?違った?」
「違う違う!イタズラだかんね!」
「あらら、そーなんだ」

お菓子持ってなかったらひねり潰されるなんて横暴だっ!
どっちにしろお菓子なんかないな…。
鞄に飴でも入ってなかったっけ。

「イタズラってさースカートめくりとか?」
「したいの?」

何でそれが一番に浮かぶんだろ。

ちんになら」

………。

「じゃ、じゃあ見せパンはく!」
「それじゃあつまんなくない?」
「み、見たいの?」
「せっかくめくるなら見れないと意味なくない?」

スカートめくりの意味…。

「やらなくていいよ。まだ時間あるし購買行こう。お菓子買ってあげる」
「ふーん」

何で不満そうなの!

「早く行こう、ね?」

先に席を立って敦くんの手を取るともそもそと立ち上がってくれた。
よし、諦めてくれたか…。

「俺以外に見せたくないし。後にする」

ぼそりと恐ろしい言葉が聞こえる。

「なっ!?なっ!?」
ちん行こー」
「いやいやいや!今行ったらイタズラなしだからね!?」
「お菓子買ってよ」
「イタズラなしだからね!?」
「………」
「ね!?」

まずい。
しばらく敦くんと二人きりにならないようにしよう…。