見つめるアイズ



「お、いた」

「久保ちゃんおかえり」

「ただいま。何してんの?」

「読書」



なんて、漫画ですけど。



「出掛けてるのかと思った」

「時任くんのゲームうるさいから退避してきました」

「なるほど」



………。



「久保ちゃん?」

「なに?」

「…なんか用?」



そんな見つめられると照れちゃうなあ…ははは。



「そうだねえ…いいことしたげるからこっち来ない?」



久保ちゃんはベッドに腰かけて両腕を広げた。



「ヤな予感しかしないから断る」

「えーヒドイなあ」



あ、目ェ開いた。



ちゃん」

「何?」

「俺の目はいつもちゃんと開いてるよ?」



…やば。



「口に出してましたのこと?」

「出ちゃってたねえ、うん」

「ああうんごめんね。私ってば素直だから」

「へえホント?」



いや嘘。



「久保ちゃんて目が悪いんだっけ?」

「悪いよ」

「ふーん」



だから目ェ細めてんのかなあ。



「そうだ、。視力検査してよ」

「眼科行きなよ」

「つれないねえ」



そういう割に楽しそうなんだよなあ。



「久保ちゃん眼科行けって言ったけど」



なぜ眼鏡をはずされますよ。



「うん」



なんか、違う人ぽい。



「予定変更しようと思って」



久保ちゃんて時々バカだなあって思う。



「なにを、」

「ん。こんくらいかな」

「………」



しこう、ていし。



?」



顔が近いなんてもんじゃない。
しゃべんないで。
それだけで、くっついちゃいそうだから。



「真っ赤だ」



だから、しゃべっちゃダメだって。
早く、自分から離れればいいのに。
だって、久保ちゃんは顔を近付けてるだけだもん。
私が動くだけで、終わるのに。



?」



だからそんな、甘ったるい声で呼ばないで。