メイプルシロップ 「おいしそー」 まだ眠い。 私はカリカリなトーストが大好きです。 バターが溶けるのもたまらないよね。 「それは良かった。トースト1枚で足りるかい?」 「それベルナルドに言いたい」 もうちょい食べようよ。 私と同じレベルってどうなのかね。 心なしか、少ないくらいな気もするし。 「俺には十分だよ」 「んじゃせめておいしいコーヒーを飲んで」 「ああ、そうさせてもらうよ」 ブラックでなんかよくいけるよなあ。 「トーストにハチミツはいかがですか?」 「ハチミツ嫌い」 「じゃあメープルシロップはどう?」 「ん、そっちがいい」 用意がいいな、さすがベルナルド。 「っと、かけすぎたかな?」 「まあこれくらいならなんとか」 アイスあるといいよね。 今度ジャンさんとジュリオに言ってみよう。 「あー垂れた」 「手、貸して」 「え………っ!?」 手を拭くんじゃないの!? 違うの!? 「ちょっ…ベルナルド…っ!」 ………っ!! 犬はアンタじゃないでしょうよ! ゆっくり、焦らすように舌が這ってゾクゾクする。 「んっ…ぅ」 爽やかな朝が台無しですよもうバカ!! 「もっ…いい加減にしなさい!」 「ッハハ、マンマかい?」 「マンマにこーゆーことするんだ。やぁねぇ」 「まさか」 そりゃそうだ。 肯定されたら私泣いちゃう。 「朝から元気そうで安心した」 「心配してくれてたのかい?」 「いや全然」 またジャンさんに愚痴ろう。 「もうバター以外塗るのはやめとこうかな」 ジャムでもなんでもこの人には意味がない気がする。 「我慢する必要はないと思うけど?」 「我慢じゃないよ、自重」 いや、自衛? とにかく、甘党コンビと食べるまでお預けだ。