寝顔 目が覚めたら、目線が変わっていた。 頭が少し持ち上がっている。 「あ、起きた?」 「…久保ちゃん?」 「おはよ」 声のする方を見上げて、今の状態を理解する。 「…なんで膝枕してくれてんの?」 「ソファに座りたかったから」 「それなら起こせば良いじゃん」 「気持ち良さそうに寝てるからさ」 一緒に住んでて今更だけど、寝顔をご覧になりましたか。 「あっそ」 「うん、そう」 そうして話しながらも、久保ちゃんの膝からなんとなく動けない。 優しく頭をなでられた。 また眠気が…。 「どしたの…?」 「んー?眠そうにしてるから、もう一度寝顔を拝見しようかと思って」 「足痺れるよ」 「いいよ」 抵抗したいんだけど。 何でだろう。 気持ち良くて。