ペアリング 薬指でキラキラ光るそれは。 私にとって何よりも大切な宝物。 「また見てんの?」 「だって、なんか目がいっちゃうっていうか。見てるだけで幸せになるから」 それだけで自然と笑みがこぼれる。 「どうせ見るなら俺の顔にして欲しいけど」 「へー」 「俺も薬指しか見てくんないわけね」 じぃっと悟浄の指にはめられた指輪を見つめて。 今度は自分のと交互に見てみたりして。 「指輪取り上げちまうぞ?」 「えっやだっ!」 「俺より大切にされちゃ困るんですけど」 「そんなことないよ!悟浄が一番大切」 「…大事なとこで目を移すなよ」 「あは、悟浄ってば指輪に嫉妬?」 これみよがしに指輪にキスしてみたり。 「それがお前の答えね」 向かいに座っていた悟浄が立ち上がった。 「ん?うわっちょっと!?」 「お姫様をベッドにお運び致します」 「何で何言ってんの!?」 「指輪を忘れるくらい悟浄さんのことしか考えられなくしてあげちゃうから」