キミの弱点



「久保ちゃんってさー、苦手なものあるの?」

「何で?」

「ふと疑問に思ったから」

は俺の弱みを握ってどうしたいの?」

「え!?そういうつもりで聞いたんじゃないんだけど…」



仮に弱みを握ったところで勝てる気がしない。



は牛乳がダメだよね」

「ホットミルクなら飲める!」



即反論する。



「どっちも牛乳だよ」



…知ってる。



「全然違うよ、味が」

「そうかねぇ」

「…って、久保ちゃんはぐらかしたでしょ」

「…あ、バレた?」

「バレた」



まったくもう。



「意外と鋭いよね、って」

「意外とって何、意外とって」

「そうだなー、いくら俺でも一生寝るなとか言われたら無理だね」

「それ誰でも無理だし。ていうか、弱点とかじゃないし」

「そお?」



わざわざ聞いてもダメなもんはダメ。



「そお」

「んじゃ、俺の弱点はかな」



え?



「あれ、時任じゃないの?」

「なんで?」



なんで…って。



「いや…そっか、そうなんだ」

「うん、そうだよ」



そっか。