真っ赤なほっぺ 「今日は冷えるな」 「そうだねー。そんな日はお鍋がいいと思うな」 「野菜をたっぷり入れよう」 「お気遣いどうも」 アーチャーめ、私が野菜嫌いなのを知っててよく言う。 「大丈夫か?頬が赤いぞ」 「あ、やっぱり?顔がずいぶん冷たいと思ったんだよね」 赤い、か。 「アーチャーとお揃いだね」 「お揃い?」 「赤いのが」 私にはアーチャーと違うところが多過ぎるから。 こんな変な共通点でも嬉しかったり。 なんて。 「…えーと、そんな可哀想なものを見るような目で見ないでくれない?」 「君の気のせいだろう」 「いや、絶対気のせいじゃない」 些細なときめきすら与えてくれないのか。 「罰としてデザートもつけること」 「デザートはもともとつけるつもりだったが」 「………!」 う、嬉しいけど素直に喜べないこの気持ちって何!? 「えっと、じゃあ…」 「野菜をたくさん食べられたら、デザートを増やしてあげよう」 「子供扱いするなーっ!!」 「今度は怒りで顔が赤くなってるぞ」 「うるさーい!!」 アーチャーは。 好きだけど時々大嫌いだ。