暗くなるのって早いね 「謙吾ー!部活帰り?」 「ああ」 そっかそっかとが隣に並ぶ。 「お前はどうしたんだ?」 「ちょっと買い物してきた」 「一人でか?」 「うん?悪いの?」 「いや…珍しいだけだ」 いつもお前の周りには誰かがいるから。 「たまには一人もいいでしょ。それに」 ちょっと走り出て俺と向き合う。 「謙吾は部活で付き合ってくれないしね」 「…俺か?」 何で俺が…と言いかけたが、はくるりと背を向けて歩き出してしまった。 「暗くなるのって早いね」 「そうだな、何年経っても早い」 「昔は思いっきり遊んだよね。んであっという間に時間が過ぎて…今、は…」 「それ以上、言うな」 「…あ、うん」 今はきっと時間は永遠だ。 そうなるように俺たちが努めていれば。 「飯、一緒に食うか?」 「うん!」 夜が来てもまた朝が来る。 暗くなっても何度でも明るくなるんだ。