白い吐息 白い息。 気温との温度差が随分あるみたい。 何枚羽織っても足りない気がするもの。 「今日は冷えますね」 「ほんっと。凍えそう」 「いつもより一回り大きくなってますよ」 「…寒いんだから、仕方ないじゃない」 仮にもオンナノコなんですけど。 「ベナウィこそちゃんとあったかくしないと風邪引くんだからね」 「あなたが看病してくれるなら、悪くないんじゃないですか?」 「え…」 ふっと微笑むベナウィさん。 さらっとそういうこと言うなんて。 「卑怯め…」 「はい?」 「何でもない」 だって、そういうところも好きだし。 「一枚もらえますか?」 「どーぞ」 ちょっと無茶して布をバッサバッサと羽織っていたけれど、一枚なくなるだけでもやっぱ違うな。 「こうした方が、あったかいですよ」 そう言ったベナウィは私まで巻き込んで。 一緒に布にくるまった。 「どうですか?」 「あったかい、です」 近い距離。 二人の吐息が混ざって溶けていく。