現実世界は遠く締め出して グラウンドの喧騒。 屋内では随分遠く聞こえる。 「盛り上がってるねぇ」 「君は行かなくていいんですか?」 「私が出る種目はまだ先だもの。それに皇帝とプラチナが居れば十分でしょう」 確か、私が出るまではあと4つほど競技があったはず。 皆の注目はあの二人に集まっているだろう。 よって私が居なくても問題なし。 「でも保健室でサボるなんて悪い子ですね」 「本当に悪い子だと思ってたら追い出してくれても構いませんよ、先生?」 「………」 「千里?」 何やら思案しているご様子。 やがて楽しそうににっこりと笑った。 「悪い子にはお仕置が必要ですよね」 「は?」 距離を詰めてくる千里。 「ちょ…」 「さぁて何をしてあげましょうか」 「迫ってくるな!変態教師!」 「失礼ですねぇ」 喧騒は遠い。 私がいくら叫ぼうと届かないくらいに。