愛の叫びは罰ゲームと共に




私は高らかに叫んだ。



「神さま仏さまお義母さま!彼を私と同じ時代に作ってくれて有難う!」



………ん?



「ねぇコンラッド」

「はい?」

「今、叫んでる最中にドアが開いたり閉まったりしなかったかしら?」

「したね」



あたしもまだ幻覚を見るようにはなってないってことね。



「で、何で?」

「ユーリが訪ねて来たからですよ」



嘘だ。



「ちょ、ちょっと何であたしを止めるとか有利を引き止めるとかしないわけ!?」

「面白かったんで。お二人とも」

「面白かった、じゃないでしょう!?コンラッドしかこの場にいないから言ってあげたっていうのに」

「言ってあげた、ですか?」

「げ」



ひくりと顔が引きつる。



「いや、だって」

「勝負を申し込んできたのもあなたで、罰ゲームをつけると言ったのもあなたなのに?」

「それ、は、ですね…」



だって、絶対勝てると思ってたんだもの。



「あーもうっ!この後有利にどんな顔して会えばいいの!?」



用があって来たのだ。
嫌でも顔を合わせねばなるまい。



「っていうか、コンラッドが悪いのよ!あんな台詞叫ばせるなんて!」

「罰ゲームは何でもいいって言ったのはだけど?」

「………」



敗北というのは、主と従者の関係すらも超えるのか。
今、主としての威厳とかメンツとかまるでない。
ていうか、今の状態で何を言ってもやっても勝てない気がする。



「はー…とりあえず満足いただけて?」



無駄に恥かいた。



「ええ、気持ち良く叫んでもらいましたから」

「もう言うなっ!」

「だから」

「何?」

「もう一勝負、どうです?」



遠慮しときます。