愛情表現 傍から見ればいちゃついていると言われてしまうのか。 私からすればただのだらけた食後のティータイムで、絡んでいる腕も適当にあしらっている。 今まではいちいち反応していたけれど、私もいい加減慣れたのかな。 「いつも俺ばかりだと寂しくなるな」 「え?」 何でこの人は寂しいとかさらっと言えるんだろう。 しかもそれを可愛いと思ってしまうとか。 ルキーノのような大柄さは細い体のせいで感じさせないけれど、やっぱり身長はずば抜けて高い。 こんなに大きい、そして30を過ぎたおじさ…男性を可愛いだなんて。 実際可愛いんだけど。 その成分を私は少し分けてもらうべきかもしれない。 「男というものはわかりやすい愛情表現を欲しがるものだよ」 「それってフツー女の側じゃないの?」 「君は不満かい?」 「とんでもない。言葉でも体でも十分過ぎる表現をしていただいてます」 思い出すのも恥ずかしい。 自主規制したい。 「とりあえず、キスはベルナルドじゃないと嫌だよ」 「他でもいいなんて言われたら困る。それとも、それはキスをしていいというお許しなのかな?」 「違う」 「最高のキスを贈るよ」 「や、やだ」 そういうとベルナルドは停止した。 「え?今、なんて…?」 「いや、だから、その…」 ベルナルドのキスは困る。 正直わけがわからなくなって、自分が自分じゃなくなるみたいな。 絶対に言葉では伝えないけど…その…気持ちいい、からなわけなんだけども。 「恥ずかしいからいいよ。遠慮したい」 体を拘束されてしまったので顔だけでも思い切りそらす。 本当はわかってる。 いつもならこの後顎を捕らえられて結局キスされるんだ。 「ああ…」 「ん?」 何かに納得したような声に思わずベルナルドの顔を見てしまう。 そんな私に彼はフッと笑ってみせた。 「なるほどね…許可はいらない。不意打ちが…いや、無理矢理されるのがお好み?」 「なっ…ばっ…ばっかじゃないの!?」 楽しそうに笑っちゃって! 許可は取ってくれなくてもいい。 はいキスしてくださいなんて絶対言えない言いたくない。 「ちょっと、ベルナルド…!?」 言うだけあって、いつもよりちょっと力が強い気がする。 この両手をもってしてベルナルドの口を塞ぐべきか、私の口を塞ぐべきか。 なけなしの腕の力で抵抗するのを諦めて、自分の唇を守ることにした。 けれど、それもはがされてしまう。 「そこまで頑なにされると少し傷付くな」 「だってベル…っ!」 ナルドが悪い! 最初から全部悪あがき。 でも委ねてしまえるような女ではない。 なんて、それは本当は甘えているだけ。 つっぱねたって、見抜かれてるってわかってるから。 「っは、ぁ…うー…」 「そんなに悔しそうな顔をしなくてもいいじゃないか」 「悔しくもなるってば…こんな…こんな、ふわふわにさせられて…わっ!?」 いきなり押し倒されてしまった。 苦笑していたベルナルドの顔が、すごく嬉しそうに変わっている。 「これだから困るよ」 「なに、が…?」 「不意打ちでそういう可愛いことを言ってくれるんだからね」 さっきよりも深いキスで、何も考えられなくなる。 何度も。何度も。 だから、熱に浮かされているんだと自分に言い聞かせて呟いた。 すき。